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クリスマスのルーツからサンタクロースの秘話まで

今回の記事では、クリスマスにまつわる不思議な起源や知られざる事実に迫りつつ、各国で繰り広げられるユニークなクリスマスの様子を覗いてみましょう。

古代ローマから始まるクリスマスのルーツや、言葉の起源からサンタクロースの秘話まで、知っているようで知らないクリスマスの謎を解き明かします。

読者は世界中でクリスマスがどのように祝われ、どんな風習があるのかに興味津々になることでしょう。

 

 



クリスマスの歴史と起源

クリスマスは現在、キリスト教徒がイエス・キリストの誕生を祝う降誕祭として知られていますね。その起源は紀元前2〜4世紀の古代ローマに遡ります。
その時代にはペルシャから伝わってきたミトラ教と言われる太陽を信仰する宗教がありました。12月25日は冬至と呼ばれており、太陽が昇るのが一番短い期間で、そこから徐々に昇るのが長く強くなっていくとされています。これが「太陽が死に太陽が復活する」、太陽の誕生日とされ、それを祝う祭りが行われていました。
またミトラ教以前に、12月25日ローマ帝国キリスト教の農耕の儀式もあり、この二つの行事を合併することにより太陽の復活=キリストの復活とされ、12月25日は「キリストの降誕祭」と呼ばれるように。
宗教同士の争いを回避するとともに、この時代はあまりキリスト教が浸透していなかったのですが、これをきっかけに多くの地域にキリスト教を広めるきっかけになりました。

 

クリスマスの意味


「クリスマス」は、ギリシャ語で「キリスト(Christ)のミサ」を指す「Χριστοῦ γέννα」から派生しています。ラテン語では「Christus Missa」が語源で、これが中世フランス語で「Noël」となり、英語では「Christmas」と変化しました。
言葉の起源において、「ミサ(Missa)」はキリスト教の礼拝や祭儀を指しており、それに「キリスト(Christ)」が加わることで、キリストの誕生を祝う特別な礼拝としての「クリスマス」が形成されたと考えられています。
だから、よく間違われていますが、イエス・キリストの誕生日が12月25日というわけではないのです。キリストの誕生日がはっきりとした文献は存在しておらず、3月や5月と言われております。
クリスマスイヴというものがありますが、これはキリスト教の「教会暦」という現在とは違う1日の始まりがあり、現在の日の出から一日が始まるのではなく、教会暦では日没で1日が始まって、次の日没で1日が終わるとされていたため、昔のクリスマスは12月24日の16時から始まっていたのです。その名残りで現在の12月24日、クリスマスイヴというものが誕生しました。
 

サンタクロースの正体



サンタクロースの誕生秘話は、聖ニコラウス(St. Nicholas)と呼ばれる実在の聖職者に由来しています。聖ニコラウスは、4世紀のトルコのミラで生まれました。彼は富裕な家庭に生まれ、孤児や貧しい人々に対して様々な善行を行ったことで知られています。
最も有名な逸話の一つは、3人の娘を持つ家族がお金がなくやむを得ず娘を売らなければいけない家庭がありました。それを知ったニコラスは煙突から金貨を投げ入れました。それがたまたま暖炉に干していた靴下に入り込み、それを見つけた家族は娘を売り飛ばす事なく、無事娘たちは結婚できたというものです。これがクリスマスに靴下を飾っておく文化ができたんですね。この善行から、彼は贈り物を配る聖職者としてのイメージが形成され、12月6日には多くの国で彼の名前を冠した聖ニコラウスの祭りが行われるようになりました。
中世ヨーロッパで、聖ニコラウスの伝説は広まり、さまざまな地域で異なる形で祝われるようになりました。17世紀のオランダでは「Sinterklaas」として知られ、これがアメリカ合衆国において「Santa Claus」へと変容しました。
19世紀初頭、アメリカの作家クレメント・クラーク・ムーアが詩「The Night Before Christmas」を発表し、サンタクロースのイメージが更に定着しました。この詩では、サンタクロースがトナカイに引かれたそりに乗って贈り物を配る姿勢が描かれ、これが一般的なイメージとなりました。
ちなみにサンタクロースの服装は赤のイメージがありますが、みなさんが想像するイメージの服、実はコカコーラのクリスマスキャンペーンで描かれたのが始まりとされ、世界に赤い服のサンタクロースが定着したというのは驚きですね。
サンタクロースは子供たちに贈り物を届け、クリスマスの象徴として広く愛されています。
 

世界のクリスマス事情


日本では、イブから家族や恋人と過ごしたり、クリぼっちなんて言われたり色々な過ごし方があって、美味しいものを食べたりプレゼントを用意したりしますね。
日本以外ではどうでしょうか?

 

フランス
フランスでは、恋人や友達と一緒に出かけたり、過ごすということはなく家族でゆっくり過ごします。日本のお正月のように、24日には実家に帰り、夕方ぐらいから食事を楽しみその後はミサが各教会始まります。またクリスマスプレゼントが1人1つではなく大量にあるのも特徴で、大人はプレゼントを揃えるのに大変!!。
クリスマスケーキでよくでてくるのが丸太の形をしたチョコレートケーキ。ブッシュ・ド・ノエル、直訳するとクリスマスの薪という意味になります。



 
ドイツ
ドイツのクリスマスで有名なのは、クリスマスマーケット。ドイツ全土では約2500ものクリスマスマーケットが開催され各地の名産品や工芸品、クリスマス限定のおもちゃや装飾品、美味しいお菓子や食べ物など沢山の売り物で街が活性化されます。
パン菓子の「シュトーレンも人気で、ナッツや、洋酒に漬けられたドライフルーツが沢山入って、焼成の後に大量の溶かしバターと粉糖で包み込まれたこのパンは絶品です。



 
アメリ
アメリカでは多文化、他宗教の関係であまりメリークリスマスと呼ばれることはないようで、その代わりに「happy holidays」(ハッピーホリデー)と呼ばれます。
家にはクリスマスツリーをおく家庭が多く、それを準備するために「ツリーハンティング」と呼ばれる、もみの木を切りに行くイベントがあるのも特徴です。
アメリカも家族で過ごすことが多く、チキンやハムのメインディッシュにデザートはケーキではなくパイが定番です。
 
オーストラリア
オーストラリアのクリスマスは私たちには考えられない光景が沢山。
なぜかというと、クリスマスが真夏にあるからなんです。日本がクリスマスシーズンに入ることにオーストラリアは真夏に入っていきます。
オーストラリアのクリスマスは暑さを凌ぐためにビーチでパーティーをすることが多くバーベキューなどが行われます。
もちろんサンタもいますが、服装は半袖半ズボン。サンタがソリではなくサーフボードを乗りこなしている光景を見ることができます

 

 

まとめ

クリスマスは、古代ローマから発展し、異なる文化や宗教の影響を受けて現代に至るまで多様な形を取りながら根付いたものになりました。キリスト教徒にとっては信仰の祝祭であり、一方で広く社会的なイベントとしても世界中で愛されるものに。それぞれの個性あふれるクリスマスも面白かったですね。

みなさんのクリスマスはどう過ごされますか?