今回は製菓業界にとっては欠かせない存在バニラビーンズについて。
お菓子にバニラビーンズを加えれば高級感と濃厚な香りがお菓子をワンランクアップさせますよね。皆さんが手にするバニラビーンズは長い製造工程を得て私たちの手に届きます。
製菓材料の中でも高価なバニラビーンズについて今回まとめて見ました。
バニラビーンズの元
バニラの細長い果実の中にある豆果の小さな種がバニラビーンズ。
生のままでは香りはないですが、発酵と乾燥を数回繰り返す作業キュアリングを数ヶ月行います。キュアリングを行うことによってバニリンという香り成分が出てきて、濃厚で甘い香りを発生させます。
香辛料の中でも上位に入る高価な香辛料なんです。
主にマダガスカルとインドネシアが8割の生産量を占めており使用されるバニラは約100種類の中からわずかブルボンバニラ、タヒチバニラの2種類とされています。
バニラビーンズができるまで
キュアリングの作業は大きく4つに分かれます。
1、キリング
バニラの成長を止めるための殺処分(キリング)
温水加熱や凍らせる、直接日光に曝すことで、成長をとめ、香りの原因、酵素反応を作り出します
2、スウェニング
密集した毛糸や布の中でバニラを7〜10日間45〜65度の中で保存。
3、乾燥
スウェニングの時でも60〜70%の水分を含んでいるので、腐敗を防ぐと共に香りを閉じ込めます。
日が出ている時は太陽に曝し、午後には箱に戻すを繰り返したり、屋内の木製の棚に3、4週間広げてたまに太陽に曝して乾燥させます。
ここの乾燥が不足しているとバニリンの含有量が減少したり、腐敗につながるのでとても大事な工程です。
しかし、乾燥しすぎも等級分けされる際、ランクが下がってしまいます。
4、コンディショニング
密閉箱の中で5−6ヶ月保管され香りを促進させバニラビーンズは完成されます。
良いバニラは?
バニラビーンズの選び方はさまざまな外観で見分けられます。
1、長さ
17〜18cmのものが特にランクの高い良質なものとされます。
2、触感と見た目
触るとふっくらと柔らかい食感で弾力性があります。乾燥しすぎず含水率は24〜38%が良質なバニラの証拠。
傷がなく色が濃ゆい均一な色も良質なバニラとされています。
バニラビーンズを使った商品
バニラビーンズは香辛料の中でも高価なもので、日常的に使うのは少し難しいですよね、しかし、お店には安価で手に入る、バニラエッセンスや、オイル、ペースト状のものが売っています。
この違いはなんでしょうか?
バニラビーンズ
バニラ本体なので、バニラ本来の香りを味わうことが可能です。
カスタードクリームなどに加えると黒い粒々が高級感とお菓子の見た目をUP!!
使ったバニラの鞘は捨てずに、砂糖と一緒に入れておくことでバニラシュガーになるので再利用が可能です。
バニラエッセンス
ゼリーやバニラ、ムース菓子にバニラの香りをつけることができます。
熱に弱く、熱い状態で加えてしまうと香りが飛んでしまうため、焼き菓子には向いておりません。
バニラオイル
バニラビーンズの香りをアルコールで抽出したもの。
バニラエッセンスとは違って熱に強いため焼き菓子に最適です。
バニラペースト
バニラビーンズに砂糖や増粘剤を加えもの。
バニラビーンズには香りは劣りますが、趣味でお菓子を作るのならこれで十分だと思います。バニラビーンズより安価で量も多く、粒もしっかり入っているので、個人的におすすめですね。熱にも強く焼き菓子、生菓子どちらでも
まとめ
今回はバニラビーンズについてまとめました。
キュアリングという長い時間をかけた作業によって私たちの手に届いていたんですね。
バニラビーンズが加工された商品もたくさんあります。お菓子によってうまく使い分けましょう。